イネ白葉枯病菌の菌体外多糖質産牛変異株の病原力と宿主イネ体内における増殖・移行
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
トランスポゾンTn4431の挿入により, イネ白葉枯病菌(Xanthomonas campestris pv. oryzae, T7174R)の菌体外多糖質(EPS)産生変異株の作出を行った。得られた変異株のEPS産生量は親株の約2〜40%であった。変異株をイネ(Oryza sativa cv. IR24)に針接種して病原力の検定を行ったところ, 接種後28日目において親株による発病指数は5,4であったのに対してEPS変異株の発病指数は0.4〜3.2であった。EPS産生景が最も少ない菌株でも病原力を完全に失うことはなく, 接種後28日目には病斑が形成された。イネ休内におけるEPS変異株の増殖と移行について調べたところ, EPS産生量が親株の約5%の菌株でも, 接種部位近傍における増殖は親株と差異が認められなかった。しかし, 接種部位から3cm以上離れた部位におけるEPS変異株の細菌数は親株と比較して顕著に少なく, EPS産生量の低下がイネ体内における白葉枯病菌のワット行に影響を及ぼすことが示唆された。以上の結果から, EPS産生能力の差異はイネ体内における細菌の増殖・移行に影響し, 本病の病徴発現に間接的に関与ずると考察した。
- 日本植物病理学会の論文
- 1993-10-25
著者
-
古澤 巖
京大院農
-
渡部 光朗
京都府大農
-
堀野 修
京都府立大学農学部
-
古澤 巖
京大・農
-
渡部 光朗
京都府立大学農学部
-
山口 正樹
京都府立大学農学部
-
古澤 巖
京都大学農学部
-
山口 正樹
京都府大農
関連論文
- (117) 遊離エリシター結合物質のダイズ膜からの可溶化 (日本植物病理学会大会)
- 形質転換植物における組換えウイルスの誘導発現
- (4) 超多収稲品種のいもち病抵抗性検定 (東北部会講演要旨)
- 超多収稲品種および超多収稲母本品種のいもち病抵抗性検定
- (195) イネ白葉枯病菌の病原性欠損変異株の分離とその性質 (日本植物病理学会大会)
- (179) ウリ類炭そ病菌のメラニン合成経路における1, 3, 6, 8-tetrahydroxynaphthalene (T4HN)還元酵素の関与
- ダイズ組織におけるエリシター遊離因子とβ-1, 3-endoglucanaseとの同一性に関する免疫学的解析
- (21) エリシター遊離因子(β-1,3-endo-glucanase)遺伝子のクローニング : (7) ダイズ遊離因子cDNAで形質転換した大腸菌における酵素活性の発現 (平成2年度大会講演要旨)
- (19) エリシター処理ダイズ組織におけるphenylalanine ammonia-lyase, chalcone synthase, およびchalcone isomerase遺伝子の転写活性化 (関西部会講演要旨)
- (43) エリシター遊離因子(β-1, 3-endoglucanase)遺伝子のクローニング : 6. 遊離因子のゲノム遺伝子に対する制限酵素地図の作成 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (11) エリシター遊離因子(β-1, 3-endoglucanase)遺伝子のクローニング : (4) ダイズのゲノムライブラリーの作成および遊離因子遺伝子の分離 (昭和63年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨))
- Trans-complementationを用いた植物ウイルスの細胞間移行の解析
- (63) カリフラワーモザイクウイルス (CaMV) DNA のコマツナプロトプラストへの導入とその外被蛋白質情報の発現 (関西部会講演要旨)
- (352)Xa21抵抗性遺伝子に支配されるイネ白葉枯病抵抗性発現の組織学的観察(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 日本における1991年, 1993年産イネ白葉枯病菌レースの分布
- (74)REMI法によるウリ類炭そ病菌の病原性欠損変異株の分離と性状分析
- 63 パラコート耐性タバコ植物
- 79 プロトプラスト由来の除草剤耐性カルスとその再生植物について
- (31) 菌体蛋白の二次元電気泳動による疫病菌分類の試み : コンピュータ解析による泳動パターンの客観的判別 (昭和62年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨)
- イネいもち病の抵抗性機構に関する微細構造的研究
- (48) 不親和性イネ/いもち病菌組合せにおけるイネ葉鞘裏面表皮細胞原形質膜の電顕観察 (昭和58年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (18) 不親和性いもち病菌の接種によって起こるイネ表皮細胞内容物の顆粒化の電顕観察 (昭和57年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 親和性および不親和性組合せでのイネいもち病菌感染葉の電顕観察 : I 侵入菌糸の観察
- (11) 親和性および不親和性組合せでのイネいもち病菌感染葉の電顕観察 (秋季関東部会講演要旨)
- (67) 疫病菌細胞壁から遊離するエリシターの構造と活性(1) (関西部会)
- イネの白葉枯病抵抗性機構に関する研究(学会賞受賞者講演)(平成14年度 日本植物病理学会大会)
- ホウレンソウ萎ちょう病の生物防除における植物内生菌Enterobacter cloacae SM10のインドール酢酸生産の影響
- (346)イネ白葉枯病菌のhpaP変異株のイネ葉内での増殖について
- (345)イネ白葉枯病菌の1, 4-β-D-glucan glucohydrolase遺伝子の単離と性状解析
- (268)ホウレンソウ根への定着・侵入における内生細菌Enterobacter cloacae SM10の生産するインドール酢酸(IAA)の影響
- (75)ウリ類炭そ病菌のCST1(Colletotrichum sterile12-like)遺伝子はホメオドメインとCys2His2 zinc fingerのDNA結合モチーフを有する
- ホウレンソウ萎ちょう病の発病抑制効果に及ぼす内生菌Enterobacter cloacae SM10のインドール酢酸(IAA)生産の影響(関西部会講演要旨)
- イネ白葉枯病菌のグルコース吸収経路における変異はそのイネ葉内における増殖と病原性に影響しない(関西部会講演要旨)
- ウリ類炭そ病菌Cmr1p内部に存在する2種の推定DNA結合モチーフは共にメラニン合成制御に必要とされる(関西部会講演要旨)
- ウリ類炭そ病菌の胞子・付着器分化及び色素合成を制御する因子CZF1の単離と構造解析(関西部会講演要旨)
- ホウレンソウ萎ちょう病の発病を抑制する内生細菌Enterobacter cloacae SM10のホウレンソウ体内における存在部位
- イネ白葉枯病菌のNa^+/glucose symporter (SglS)様遺伝子の構造および機能解析
- (67) カリフラワーモザイクウイルスのオープンリーディングフレームIII産物(P3)の2つのシステイン残基はP3の安定性に関与するが感染に必須ではない (関西部会講演要旨)
- (53) ホウレンソウ萎ちょう病に対するEnterobacter cloacae SM10菌株の発病抑制効果 (関西部会講演要旨)
- (136) ホウレンソウ土壌病害に対するEnterobacter cloacaeの有効性 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (106) ウリ類炭そ病菌のラッカーゼ遺伝子LAC1の単離と構造解析 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- (105) ウリ類炭そ病菌の転写制御因子CMR1はZinc fingerとzinc binuclear clusterのDNA結合モチーフを有しSCD1とTHR1の転写を制御する (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- イネ白葉枯病菌発光菌株の親和性および非親和性イネ品種における挙動
- (80) ホウレンソウ萎ちょう病防除におけるホウレンソウ根から分離されたEnterobacter属細菌の有効性 (平成10年度関西部会)
- (37) 野生株との混合接種の際における白葉枯病菌hrpXo変異株の親和性・非親和性イネ葉内での増殖 (平成10年度関西部会)
- (212) 生物発光を利用した白葉枯病菌病原性変異株のイネ葉内における挙動の観察
- (178) ウリ類炭そ病菌のメラニン合成制御遺伝子CMR1はメラニン合成酵素遺伝子SCD1, THR1の菌糸生育時における転写を制御する
- (45) ホウレンソウ根部より分離された数種の細菌によるホウレンソウ萎ちょう病の防除効果
- (16) ウリ類炭そ病菌の分生胞子発芽誘導に関与する物理, 化学的刺激 (関西部会)
- (234)ウリ類炭そ病菌のメラニン合成酵素の精製と抗体作成(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (208)イネ条斑細菌病菌Xanthomonas oryzae pv. oryzicolaのイネ葉における感染過程の光顕および電顕観察(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (202)白葉枯病菌のHRPXoに対するポリクローナル抗体の利用による本病感染イネ葉道管内の免疫電顕観察(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (201)親和性の異なるイネ白葉枯病菌レースの混合接種による非親和性菌株のイネ葉内における増殖と移行(平成9年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (200) 白葉枯病菌を接種した親和性および非親和性イネのイネ葉道管内線維状物質の電顕観察 (日本植物病理学会大会)
- (172) イネ白葉枯病菌の非病原性遺伝子avrXa10に含まれる反復配列は, 全ての日本産レースにおいて保存されている (日本植物病理学会大会)
- イネ白葉枯病菌の菌体外多糖質産牛変異株の病原力と宿主イネ体内における増殖・移行
- (184) 白葉枯病菌に感染したイネ葉道管内の菌体外多糖質と繊維状物質の免疫電顕観察 (日本植物病理大会)
- (183) イネ白葉枯病菌菌体外多糖質(EPS)に対する抗体の作成と蛍光抗体法による感染イネ葉組織内におけるEPSの検出 (日本植物病理大会)
- 白葉枯病菌に感染したイネ葉道管内の組織化学的電顕観察
- (222) イネ白葉枯病菌の非病原性遺伝子突然変異株の作出とその病原性変異 (日本植物病理学会大会)
- (221) 白葉枯病抵抗性遺伝子を異にする準同質遺伝子系統イネに対する日本産白葉枯病菌レースの反応 (日本植物病理学会大会)
- (220) 白葉枯病菌に感染したイネ葉道管内多糖質の組織化学的電顕観察 (日本植物病理学会大会)
- (180) 白葉枯病菌病原性突然変異株のイネ体内における増殖 (日本植物病理学会大会)
- (4) イネ白葉枯病菌の菌体外多糖質 (EPS) 突然変異株作出とその病原性 (関西部会)
- (3) 白葉枯病菌に感染した非親和性イネ品種の道管内に認められる繊維状物質 (関西部会)
- (21) REMI (restriction enzyme mediated integration) を用いた遺伝子タギング法によって得られたアブラナ科野菜炭そ病菌の病原性変異株の解析 (関西部会)
- 非宿主に適応したbrome mosaic virus (BMV) 3a移行蛋白質遺伝子は細胞間移行に外被蛋白質遺伝子を要求しない
- (52) キメラブロモウイルスの移行タンパク質(MP)遺伝子の中央領域における変異が細胞間移行およびMPの蓄積に与える影響 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- Alanine Scanning Mutagenesisを利用したbrome mosaic virus (BMV) 3aタンパク質の機能・構造解析
- (37) 生きた細胞でのTMV RNAのイメージングをめざして (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- RNA3 の cDNA の塩基配列の解析から決定された新たな日本産キュウリモザイクウイルスの6種のサブグループIメンバー
- (80) ピリジニウム型高分子を用いたキュウリつる割病の発症抑制 (関西部会)
- (52) ブロムモザイクウイルスRNA依存RNA合成酵素のイムノアフィニティ精製 (平成10年度関西部会)
- イネもみの Pseudomonas glumae 感染に対する感受性と細菌密度の消長
- (127) 免疫蛍光抗体法による土壌中の疫病菌の検出 (平成2年度大会講演要旨)
- 免疫蛍光抗体法による土壌中のPhytophthora属菌の検出
- (121) 連作障害における土壌ミクロフロラと病原菌の動態把握の試み : (2) 土壌ミクロフロラと疫病菌の相互作用 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (120) 連作障害における土壌ミクロフロラと病原菌の動態把握の試み : (1) 疫病菌類のための系列的選択培地の開発 (平成元年度日本植物病理学大会講演要旨)
- (58) 土壌改良材の添加によるミクロフロラの豊熟化とメロン根こぶ線虫病抑制効果 (昭和63年度地域部会講演要旨(関西部会講演要旨))
- ウリ類炭そ病菌の病原性遺伝子PAT1の構造および機能解析
- (14) REMI法を用いたウリ類炭そ病菌の病原性欠失変異株の分離,解析およびタギングされた遺伝子のクローニング (関西部会講演要旨)
- In vitroにおけるキュウリモザイクウイルス移行タンパク質と外被タンパク質の相互作用
- (47) 細胞間移行における外被タンパク質要求性を失ったキュウリモザイクウイルスの移行タンパク質 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- ブロムモザイクウイルス(BMV)外被タンパク質(CP)のC末端領域はBMVの細胞間・長距離移行に宿主依存的に関与している
- Bromovirusの宿主特異性に関する研究 : 3種のBromovirus間でのreassortantにおける複製能の解析
- (70) Spring beauty latent bromovirus (SBLV)の遺伝子操作系の確立 (関西部会講演要旨)
- (53) ブロムモザイクウイルス(BMV)の外被タンパク質(CP)と相互作用するオオムギ宿主因子の単離 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- ブロムモザイクウイルスの分子生物学的研究
- (68) ウリ類炭そ病菌の分生胞子の付着器分化過程および非分化過程におけるメラニン合成系遺伝子PKS1, SCD1, THR1の転写パターン (関西部会)
- オキソリニック酸のイネ苗腐敗症に対する作用機作 : 3. 幼芽への Pseudomonas glumae の感染
- ブロムモザイクウイルス感染オオムギ葉からの RNA 依存 RNA ポリメラーゼの純化
- ウリ類炭そ病菌の付着器侵入におけるセルローズ膜の化学的分解の役割
- (62) ブロムモザイクウイルス (BMV) RNA に対し高い鋳型活性を持つ RNA ポリメラーゼ (関西部会講演要旨)
- (193) Osmotic shockとオオムギプロトプラストへのBMV粒子およびBMV RNAの感染 (昭和53年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- ウリ類炭そ病菌の付着器形成過程における微小管の動態
- ウリ類炭そ病菌のCMK1MAPキナーゼの付着器形成過程における遺伝子発現への関与
- (13) ウリ類炭そ病菌の付着器形成過程における細胞骨格の役割と動態についての研究 (関西部会講演要旨)
- (12) ウリ類炭そ病菌のcAMP依存性プロテインキナーゼ制御サブユニットをコードするPKAR遺伝子の単離とその解析 (関西部会講演要旨)
- (11) ウリ類炭そ病菌のMAPキナーゼ遺伝子CMK1は,分生胞子発芽,付着器形成,および宿主植物内での進展を抑制する (関西部会講演要旨)
- (20) 緑色蛍光タンパク質(GFP)を利用したウリ類炭そ病菌のメラニン合成酵素SCD1の蓄積および局在性に関する研究 (平成10年度関西部会)