1987年から1993年に日本のジャガイモとトマトから分離したPhytophthora infestansの交配型A2の割合と地理的分布の年次変化
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概要
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1987年から1993年にかけて日本全国のジャガイモおよびトマトからPhytophthora infestansを分離し, その交配型(A1, A2)を調べた。北海道で1987年から1993年にジャガイモから分離した772菌株では, A2型菌の割合は1987年の54%から1993年の97%へ増加した。北海道東部では1987年と1988年にすでにA2型菌が高頻度で分布しており, 1989年以降A1型菌は全く認められなかった。北海道西部では1987年にはA1型菌が優占していたが, その後A1型菌の割合が減少した。A2型菌の分布は北海道では西方向に広がったと考えられた。北海道以外で1988年から1990年にジャガイモから分離した539菌株では, A2型菌の割合は1988年に72%, 1989年に96%, 1990年に87%であった。1988年に西日本ではすでにA2型菌の割合が高かったが, 関東地方と東北地方ではA1型菌が広く分布していた。しかし, 関東地方や東北地方でも1989年と1990年にはA1型菌の割合は減少した。北海道以外ではA2型菌の分布は北東方向に広がったと考えられた。北海道西部と東北地方北部では1990年にはA1型菌とA2型菌が一緒に分離される圃場がいくつかあった。そのような圃場は北海道では1990年以降まれとなった。A2型菌の割合が非常に高いので交配による卵胞子形成の可能性は日本の多くの地域では低いと考えられた。トマトから分離したPinfestans11菌株のうち, A1型は7菌株, A2型は4菌株で, ジャガイモから分離したP. infestansよりA1型菌の割合が有意に高かった。
- 日本植物病理学会の論文
- 1998-06-25
著者
-
高橋 賢司
九州農業試験場
-
佐藤 章夫
北海道農業試験場
-
佐藤 章夫
北海道農試
-
島貫 忠幸
北農研
-
島貫 忠幸
草地試験場環境部作物病害研究室
-
加藤 雅康
北海道農業試験場
-
高橋 賢司
北海道農試
-
加藤 雅康
中央農研
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