(4)ジャガイモおよびトマト疫病菌の両宿主における病斑拡大および遊走子のう形成量の差異
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概要
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北海道で2001年にジャガイモとトマトからPhytophthora infestansを分離した.トマトからはJP-1系統の菌株のみが分離されたが,ジャガイモからはAおよびB系統の菌株が高率に分離され,JP-1系統は低率であった.ジャガイモとトマトで蔓延している菌株の両宿主に対する病原力の違いを明らかにするために,ジャガイモ分離菌6菌株(A系統3菌株,B系統1菌株,JP-1系統2菌株),トマト分離菌5菌株(JP-1系統)の遊走子のう懸濁液を両宿主の小葉に滴下接種し,病斑拡大および遊走子のう形成量を調べた.ジャガイモにおける病斑拡大速度と遊走子のう形成量は分離源による大きな差は認められなかった.一方,トマトにおいては,ジャガイモ分離菌株のA,B系統がトマトから主に分離されたJP-1系統より病斑拡大速度が遅くて遊走子のう形成量も少なく,分離源間および系統間で有意な差が認められた.以上のことから,ジャガイモで蔓延している菌の多くはトマトに対する病原力が弱いことが示唆された.
- 2003-02-25
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