陰関数表現を用いた協調型3次元造形システムの一構成法(<特集>マルチメディアネットワークシステム)

概要

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新製品や工芸作品などを分散環境で協同設計するための新しい3次元造形システムの構築法を提案する.設計の初期段階で新しい形状の創作を行う場合に着目して, 設計者が頭に描くイメージを直観的に3次元モデル化しながら, 上級者が持っている造形技能の伝習や協同設計作業を容易に行うことが可能なシステムの実現に焦点を当てる.このために, 協同造形される3次元形状を陰関数表現法を用いて符号化し, 各参加者が実行する一連の変形操作をネットワーク上で漏れなく共有・可視化する方法を考案した.効率的な協同作業のために, 複数の参加者が同一モデルの異なる部品を同時に造形できる仕組みを実現した.また, 部品単位にモデルの解像度や描画法を動的に変更しながら, 使用する計算機の性能や造形操作内容に応じて応答性と描画品質を柔軟に調製できるようにした.さらに, 専門知識や計算機の使用経験が異なる被験者を対象に評価実験を行い, 協同造形によるデザイン作業の効率化や制作物の品質に及ぼす影響などの観点から提案手法の有効性を検証した.
一般社団法人情報処理学会の論文
2001-02-15