機械翻訳向け前編集のための日本語係り受け構造の曖昧性検出方式
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概要
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機械翻訳用の前編集の作業効率を高めるために,原文中に存在する形態素,係り受け構造等の曖昧性を検出する機能が求められている.必要以上の多量の曖昧性の検出は,かえって前編集の作業効率に悪影響を及ぼすため,曖昧性検出においては,検出すべき曖昧性の検出の漏れを抑えながら,不要な曖昧性検出(前編集しなくても機械翻訳システムが正しく解釈する箇所に関する曖昧性検出)を少なくすることが重要な課題となる.本論文では,日本語の曖昧性検出のうちで重要な係り受け構造の曖昧性検出について,この課題の解決策として,(1)機械翻訳システムと同一の解析を行って機械翻訳システムの採用する係り受け構造の最優先解を求め,これに対して係り受けの非交差性条件と格の非重複条件を満たす範囲に別解の検出を抑える,(2)係り受けの飛び越しを抑制する傾向のある読点や語句を利用して,不要な別解の検出原因となる範囲を別解探索範囲から除く,(3)語句ごとの固有の構文的性質を利用して不要な別解の検出を制限する,の3点を特徴とした曖昧性検出方式を提案している.そして,本方式に基づいて,係り受け構造の曖昧性検出システムを開発し,特許抄録を対象として評価している.この結果,本方式は,必要な曖昧性検出の漏れを用上問題ない量に抑えながら,不要な曖昧性検出を,可能な構文構造をすべて検出する従来方式の1/2未満に削減でき,上記課題を解決できることが確認できた.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-10-15
著者
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芦沢 実
(株)日立製作所中央研究所
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梶 博行
(株)日立製作所中央研究所
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梶 博行
(株)日立製作所
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梶 博行
(株)日立製作所システム開発研究所
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梶 博行
日立製作所システム開発研究所
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平井 章博
(株)日立製作所システム開発研究所
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芦沢 実
(株)日立製作所システム開発研究所
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