空間パタン解析を取り入れた磁気共鳴診断装置 (MRI) における高速シミュレーション手法

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磁気共鳴診断装置(MRI)は,核磁気共鳴現象を利用して人体の断層画像を得る医療診断装置で,装置の高画質化,高機能化が重要なテーマとなっており,その開発には,内部で起こる物理現象を正確に捉えるシミュレーションが必要である.従来のMRIシミュレーションでは,1次元の簡単な解析や,2次元平面の解析が主で,3次元的な現象を扱うと,莫大な演算時間を要し,実行不可能であった.そこで,従来とは桁違いの高速演算を行い3次元的な現象も扱えるシミュレーション手法を開発した.MRIの物理系は,装置が作る磁場と人体中の磁化からなり,磁化はプロッホ方程式と呼ばれる時間について一階の線形な常微分方程式に従う.したがって原理的には時間と空間を離散化し,1点1点の磁化の挙動を追うシミュレーションができる.従来は,このような1点対応型のシミュレーションをしていたため,3次元的な現象を扱うと,空間のサンプリング点数が多くなり,演算時間が莫大で実行不可能となっていた.本シミュレーションでは,磁化を集団として扱う従来の擬似信号解析手法を一般化して取り入れ,3次元問題を1次元問題に帰着して従来とは桁違いの高速計算を実現した.本手法の開発によりMRIの3次元的な現象解析も実現可能となり,また,擬似信号の発生過程を踏まえた意味のよく理解できる解析を行えるようになった.
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-01-15

空間パタン解析を取り入れた磁気共鳴診断装置 (MRI) における高速シミュレーション手法

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