(4)キャベツ萎黄病菌Fusarium oxysporum f.sp.conglutinans病原性欠損変異株REMI10のキャベツ根における挙動と生物防除効果
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概要
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キャベツ萎黄病菌Fusarium oxysporum f.sp.conglutinans Cong:1-1を親株とする病原性欠損変異株REMI10はREMI法による形質転換で得られ,アスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子fap1内部に形質転換用ベククーpCSN43が挿入されている(吉田,2002).このREMI10はキャベツ(品種,四季穫)に接種しても全く病原性を示さないが,病原菌接種前に予めキャベツに接種することにより生物防除効果を示し,萎黄病の発病を遅延させることを見出した.そこでREMI10とCong:1-1株にそれぞれGFP発現ベククー(pNEO-EGFPおよびpHYG-EGFP)を導入し,植物体内での挙動を解析した.1%素寒天上で発芽3日目のキャベツ根部に分生胞子懸濁液を接種し,蛍光顕微鏡下で観察したところ, Cong:1-1は接種3日目には根の維管束木部へ進展していたのに対して,REMI10は表皮から侵入し,皮層の細胞間隙に沿って菌糸を伸長するものの,皮層の最も内側の内皮に達した所で阻まれ,維管束への進展は観察されなかった.
- 日本植物病理学会の論文
- 2003-02-25
著者
-
宮田 雄一郎
東京農工大学大学院
-
川部 眞登
農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
-
有江 力
農工大農
-
寺岡 徹
農工大農
-
吉田 隆延
農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター:東京農工大学大学院
-
宮田 雄一郎
農工大農
-
吉田 隆延
東北農研センター
-
川部 眞登
農工大農
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