キャベツ萎黄病菌からREMI法で誘導された病原性欠損変異株の萎黄病発病抑制効果および変異株で破壊された遺伝子の解析
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概要
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キャベツ萎黄病菌(Fusarium oxysporum f. sp. conglutinans,FOC)からREMI法によって病原性欠損変異株REMI10を得た.FOCに比べて,REMI10の根部皮層組織への侵入は遅く,内皮からその内側の維管束部へ侵入することはできなかった.キャベツ苗の根部を予めREMI10で処理すると,FOCによる萎黄病の発病が抑制され,REMI10が萎黄病に対する生物防除能を有することが示された.REMI10を処理したキャベツ根部ではFOCの根部への侵入が阻害された.REMI10において,プラスミドの挿入によって破壊された遺伝子は,分泌型アスパラギン酸プロテアーゼと推定されるタンパク質をコードしており,この遺伝子をsap1とした.FOCのsap1破壊株は,病原性を失わなかったため,SAP1はFOCの病原性関連因子ではないと考えられた.
- 2008-08-20
著者
-
宮田 雄一郎
東京農工大学大学院
-
川部 眞登
農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター
-
寺岡 徹
東京農工大学大学院
-
有江 力
東京農工大学大学院
-
寺岡 徹
Institute of Symbiotic Science and Technology, Tokyo University of Agriculture and Technology (TUAT)
-
有江 力
Institute of Symbiotic Science and Technology, Tokyo University of Agriculture and Technology (TUAT)
-
吉田 隆延
農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術研究支援センター:東京農工大学大学院
-
吉田 隆延
Environmental Biofunction Division, National Institute for Agro-Environmental Sciences (NIAES)
-
川部 眞登
Applied Biology for Plant Protection Research Unit, RIKEN
-
宮田 雄一郎
Department of Bioregulatgion and Biointeraction, Graduate School of Agriculture, Tokyo University of
-
有江 力
東京農工大学大学院共生科学技術研究部
-
有江 力
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
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