シリンゴマイシン様毒素を産生する細菌の種類
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概要
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5属19種70菌株の植物病原細菌について, シリンゴマイシン活性の検定用指示菌である Geotrichum candidumに対する生育阻害活性を調査した結果, トウカエデ斑点細菌病菌 Pseudomonas syringae pv. aceris, テンサイ斑点細菌病菌 P. syringae pv. aptata, ムギ類黒節病菌 P. syringae pv. japonica, エンンドウつる枯細菌病菌 P. syringae pv. pisi, キウイフルーツ花腐細菌病菌およびネギ斑点細菌病菌 (ともに P. syringaeに属し, 病原型は未定), ハクサイ褐条細菌病菌 P. viridiflavaに活性が認められた。これら7種細菌のうち P. viridiflava以外の6細菌の培養液から上記生育阻害活性を指標として分離・抽出された生理活性物質は, いずれもインゲン, コムギ, エンドウ, テンサイおよびネギに壊死症状を誘導した。また各細菌からの毒素はいずれも P. syringae pv. syringaeのライラック分離株の培養液から抽出されるシリンゴスタチンとシリカゲルTLC上でほぼ同様の挙動を示し, 各種糸状菌に対する抗糸状菌活性の程度も文献に記載のあるシリンゴマイシンのそれとよく一致したことから, シリンゴマイシン様毒素と考えられた。以上のことから, これら4病原型の細菌が pv. syringae以外にシリンゴマイシン様毒素を産生する細菌であることが初めて明らかにされた。
- 日本植物病理学会の論文
- 1994-08-25
著者
-
寺岡 徹
東京農工大学大学院
-
渡辺 実
東京農工大学農学部
-
細川 大二郎
東京農工大農
-
寺岡 徹
東京農工大学共生科学技術研究院生命農学部門
-
田村 勝徳
東大分生研
-
田村 勝徳
東京農工大学農学部
-
細川 大二郎
東京農工大学農学部植物病理学研究室
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