効率的なJava Dynamic AOPシステムを実現するJust-in-Time Weaver
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概要
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アスペクト指向プログラミング(AOP)とは,分散処理,同期処理,ロギングなどのモジュール間にまたがる関心事(crosscutting concerns)を,アスペクトという概念を用いて別にモジュール化し,記述するプログラミング手法である.特に近年,実行時にアスペクトをプログラムに織り込む(weave) Dynamic AOPシステムが注目されている.Dynamic AOPシステムでは,開発性の向上や,アスペクトを使用して実行時情報に基づき挙動を変えるプログラムを記述できるといった利点がある.本橋では,Dynamic AOPシステムの効率的な実現のために,ジャストインタイム・フック埋め込み技術を提案し,それを実装したweaverであるWoolについて論じる.Javaにおける既存のDynamic AOPシステムの実現手法には,独自VMの実装,デバッガの利用,すべてのjoin-Pointへ静的にフックを挿入する手法など様々な手法があった.しかし,そのどれもがプログラムの実行に,非常に大きな性能劣化を引き起こしていた.本橋で提案する手法は,実行性能を改善するためにSunJDK1.4のJPDAが提供する実行時クラス再定義を利用している.この手法では,プログラムの実行がアスペクトに影響されるクラス中のjoin-pointへ最初に達したときのみデバッガにより実行が捕捉される.そして,同時にそのjoin-pointヘフックを静的に埋め込むため,以降の実行での性能を劣化させない.また,アスペクトが影響しないクラスがjoin-pointのために改変されることはないため,その実行オーバヘッドもない.
- 2003-10-15
著者
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