秘匿容量の大きな新しいステガノグラフィ技術について

概要

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ステガノグラフィ(Steganography)とは、秘密データを何か別のデータの中に隠してしまう技術のことであり、秘密を隠したデータ(カバー・データ)は、秘密を埋め込んだ後も見かけ上の画質に変化がないようなものである。従って、ステガノグラフィ技術とは、秘密データの存在を秘匿する技術であると言える。従来のステガノグラフィ方式での埋込み容量は、たかだか、カバー・データの10%程度であった。これは従来の技術が、カバー・データの高周波成分の一部を秘密データと置き換える方式か、或いは、最下位ビットをそっくり置き換えるような方式を採っていたからであり、埋込み容量は小さいものであった。著者等は最近秘匿容量の大きな新しいステガノグラフィ方式を考案し、これをBPCS-Steganography (Bit-Plane Complexity Segmentation Steganography)技術と名付けた。この方式では、画像データをビットプレーン(音響データの場合はビットストリーム)に分解し、そのプレーンの複雑な局所領域(ストリーム中の複雑な区間)を秘密データと置き換える(埋込む)ものである。この方式の原理は、人間には、「複雑なランダム状の2値パターン(ストリング)を別のランダムなパタンと置き換えても全く分からない」という視覚的な(聴覚的な)特性があることを巧く利用するものである。
一般社団法人情報処理学会の論文
1999-11-17

著者

河口英二
九州工業大学工学部

秘匿容量の大きな新しいステガノグラフィ技術について

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