集合演算による濃淡画像の解析とその記述

概要

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数理形態学によって数式として構成された形状解析アルゴリズムを実際に計算機で実行する場合,集合演算を計算機でどのように扱うかが問題となる.数理形態学の演算は集合から集合への写像として表現される.一方,関数型言語の演算は,入力から出力への写像として定義される.従って,関数型言語において集合をデータとして定義すれば,数理形態学の演算を簡潔に記述することが可能となる.また,ラムダ記法による関数型言語を用いることにより,形状解析アルゴリズムの構成的な作成や数学的な証明が可能となる.本論文ではまず,濃淡画像を2値画像の集合として表すことによって数理形態学表現を行ない,数理形態学による形状解析アルゴリズムの記述法を濃淡画像に適用する方法を提案する.また,2値画像に対応する平面上の点集合をリストによって表現し,リストに対するラムダ算法を基本として数理形態学の演算の記述子を新たに定義する.さらに,濃淡画像の連結成分の間の位相構造もリスト表現し,濃淡画像の位相構造を抽出する関数を設計する.
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-09-30