単離膵ランゲルハンス島におけるマストパランのインスリン分泌作用
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概要
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マストパラン(MP)は, 開口分泌を促進するハチ毒由来のペプチドである。本研究では, MPを用いてラット遊離膵島(ランゲルハンス島)からのインスリン分泌の分子機構の解明を試みた。MPと種々の阻害剤を組み合わせることで, MPのインスリン分泌作用が, グルコース応答性インスリン分泌の主要な分子機構であるATP感受性K^+(K_<ATP>)チャネル及び電位依存性Ca^<2+>チャネルを介さない分泌であることを明らかとした。更にMPのインスリン分泌は, 細胞内cAMP濃度上昇を伴わず, staurosporineで抑制されることを示した。MPは, PLCを活性化することで細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させることが知られている。したがって, MPはPLCを介して細胞内Ca^<2+>濃度を上昇させ, これがPKC等細胞内酵素を活性化し, インスリンの開口分泌を促進することが示唆された。K_<ATP>チャネルを介さずにインスリン分泌を促進することは, 新規糖尿病治療薬の創薬という観点から非常に興味深いと思われる。
- 2001-09-25
著者
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笠井 久隆
首都大学東京大学院人間健康科学研究科:東京都立保健科学大学大学院保健科学研究科
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笠井 久隆
東京都立保健科学大学
-
伊藤 尚
青山学院大・理工
-
伊藤 尚
青山学院大学大学院理工学研究科
-
高橋 俊一
久留米大
-
高橋 俊一
青山学院大学大学院理工学研究科
-
松澤 伸久
青山学院大学大学院・理工学研究科
-
大島 裕之
青山学院大学大学院・理工学研究科
-
松澤 伸久
青山学院大学大学院理工学研究科
-
大島 裕之
青山学院大学大学院理工学研究科
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