神経突起伸長因子, Z-Leu-Leu-Leu-HはS-100βのLys-55と特異的に反応する
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概要
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我々は, 既に神経突起伸長因子であるZ-Leu-Leu-Leu-H(Z-LLL-H)の標的タンパク質として, ウシ脳からZ-LLL構造を有するアフィニティー担体にカルシウム依存的に結合するS-100βを単離した。本論文では, アルデヒド基を有するZ-LLL-HとS-100βの反応性, 反応部位および反応様式について報告する。S-100βはZ-LLL-Hとカルシウム依存的に結合し, 修飾S-100βは, 逆相HPLCにより元のS-100βと異なる位置に溶出された。また反応混合溶液のTOF-MS分析により, 元のS-100βより分子量が大きい修飾S-100βが検出された。さらに修飾S-100βを還元固定後, 酵素などにより切断したペプチド断片のアミノ酸組成分析及びアミノ酸配列分析から, Z-LLL-HはS-100β分子中の8個のLys残基のうちLys-55のみと反応し, ε-アミノ基とアルデヒド基がシッフ塩基を形成する可能性が示された。
- 日本保健科学学会の論文
- 2000-09-25
著者
-
笠井 久隆
首都大学東京大学院人間健康科学研究科:東京都立保健科学大学大学院保健科学研究科
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笠井 久隆
東京都立保健科学大学
-
伊藤 尚
青山学院大・理工
-
伊藤 尚
青山学院大学大学院理工学研究科
-
安藤 剛
青山学院大学大学院・理工学研究科
-
下田 裕太
青山学院大学大学院・理工学研究科
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吉川 陽介
青山学院大学大学院・理工学研究科
-
吉川 陽介
青山学院大学大学院・理工学研究科:田辺製薬(株)
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