神経突起伸長因子(Z-Leu-Leu-Leu-H)は脳型クレアチンキナーゼ活性を阻害する
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概要
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Z-Leu-Leu-Leu-H(Z-LLL-H)は, 神経成長因子(NGF)と同様に神経突起伸長を誘発する。Z-LLLを担体としたアフィニティークロマトグラフィーによって, ウシ大脳抽出液からS-100βと異なるZ-LLL-Hの標的タンパク質として, 新たに脳型クレアチンキナーゼを同定したのでここに報告する。ウシ大脳抽出液からDEAE-5PW HPLC(段階溶離, 直線濃度勾配法), 逆相HPLC, Z-LLL担体を用いたアフィニティークロマトグラフィー, SDS-PAGEを用いて標的タンパク質を分解した。カルシウムイオン依存的にZ-LLL担体に親和性を持つ43kDaタンパク質が得られた。このタンパク質のトリプシン消化ペプチドを逆相HPLCで分離した後, そのうち2つのペプチドのアミノ酸配列分析を行い, 脳型クレアチンキナーゼと同定した。本酵素の活性はZ-LLL-H処理によりほとんど消失した。
- 日本保健科学学会の論文
- 2000-12-25
著者
-
笠井 久隆
首都大学東京大学院人間健康科学研究科:東京都立保健科学大学大学院保健科学研究科
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笠井 久隆
東京都立保健科学大学
-
伊藤 尚
青山学院大・理工
-
伊藤 尚
青山学院大学大学院理工学研究科
-
下田 裕太
青山学院大学大学院・理工学研究科
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