降伏内力の限界に就て
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概要
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軟鋼の降伏は一種の安定の問題であつて、或る断面に降伏が起るとすればその面の全体の内力分布状態を考慮に入れなければならないことは既に屡述べたし、また実際安定の毀れるところで必ず降伏の起ることも既に種々の実驗によつて確めた。然るにこれ以外にも降伏を起す場合がありさうである。と云ふのは或る局部にだけ大きな内力の働いてゐる場合等は全体の安定は中々毀れなければ最大内力は何處までゞも大きくなり得るであらうか。材料の性質として何處かに限界がありさうに思ふ。距形柱体の捩り試驗を行つて見た結果、この剪断内力の限界値は1.5τ_yと出て耒た。茲にτ_yは均等内力の下に降伏するときの剪断内力であつて材料によつて定まつた値である。二次元の問題のときには何時もこの1.5τ_yと云ふのが限界値であるやうに思ふ。結局2種類の降伏が存在する譯である。一つは安定の問題で降伏を起すときには或る断面が一時に降伏を起し、他の一つは最大内力が或る限界値に逹したときに起るもので、この時はその局部だけに降伏が起る。
- 社団法人日本機械学会の論文
- 1936-02-01
著者
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