新高速オプティカル・インディケイター
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概要
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このインディケイターは高速度の内燃機用として特に作られたものである。インディケイターは發動機の氣〓に直接に取付ける。従って發動機が振動すれば一緒に振動する筈であって、普通の構造ならばその爲に誤差が入って来るが、このインディケイターでは發動機が振動してもそれに影響されないやうな特別の工夫が凝してある。インディケイターにはレンズ1箇と鏡2枚とがある。鏡の間の角度はほゞ90°であるが、氣〓内の壓力の変化に應じてこの角度は極僅か変るやうになつてゐる。光源と記録装置とは一緒にして發動機から離して据付ける。スリットから出た光はインディケイターのレンズを通り、二つの鏡に順に反射され、再びレンズを通つて帰つて來て、柱状レンズによつて集められ廻轉ドラムの上に点となつて像を結ぶ。スリット及びドラムの表血は共にインディケイターのレンズの焦鮎距離に置いてある。かう云ふ装置にすれば發動機はいくら振動しても、ドラム上の像は動かない。像の動くのは只壓力が変つて鏡の間の角度の変るときだけである。この装置では發動機の振動の心配がないので、光の挺子の腕は幾らでも長くすることが出来る。従つて鏡の動き、云ひ換ればインディケイターの運動部分の動きを非常に小さくすることが出来る。運動部分の動きを小さくすれば、自然振動の振動数を増すことが出来て、慣性の影響を少なくすることが出来る。今用ひてゐるものはピストン型のものであるが、ピストンの動きは10kg/cm^2につき約0.01mm程度であり、運動部分の自然振動の振動数は毎秒約5000乃至8000であり、光の挺子の腕の長さは必要に應じて1m乃至4m位にする。自然振動の振動数がかくの如く非常に高いので、發動機が幾ら速く動いてゐても、その壓力変化の有様を正確に記録することが出来る。
- 社団法人日本機械学会の論文
- 1930-06-18
著者
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