Isoxsuprine・HClの子宮筋弛緩作用機転に関する研究
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概要
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Isoxsuprine・HCI が子宮筋弛緩作用があることは既に知られている.しかしこの薬剤の弛緩作用機転は不明であつた.この点について分子生物学的レベルより解明した. 1) Mechanogram により Isoxsuprine・HCI は子宮筋弛緩作用があることを実証した. 2) 子宮筋収縮因子である Ca の動態を生化学的に検討し, Isoxsuprine・HCI は Actomyosin より Ca を遊離する作用を有することを実証した. 3) 電子顕微鏡学的観察で, 子宮筋収縮時 myofilament に沿つて多数存在していた Ca 沈殿は Isoxsuprice・HCI を作用させると激減することを認めた.以上の結果を総合すると, 子宮筋弛緩剤 Isoxsuprine・HCI の作用機転は筋収縮因子である Ca に働き, Ca を Actomyosin より遊離さ雀ることにより, 子宮筋を弛緩するものであると推考される.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1971-09-01
著者
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加藤 宏一
防衛医大
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加藤 宏一
東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室
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東 恭彦
東京医科歯科大学産科婦人科学教室
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中西 資郎
東京医科歯科大学産科婦人科学教室
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東 恭彦
都立大塚病院
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石田 雅己
東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室
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石田 雅己
防衛医大
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中西 資郎
都立母子保健院
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加藤 宏一
東京医科歯科大学
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東 恭彦
東京医科歯科大学産婦人科学教室
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