細菌によるチロジンよりフェノール生成
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概要
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尿中に出現するフェノールは,チロジンより階段的分解により生ずるという報告が,今までなされて来たことは前報に於いて述べ,大便より分離した1株の大腸菌がチロジン→p-オキシ・フェニル・プロピオン酸→p-オキシ・フェニル・アクリル酸→p-オキシ安息香酸→フェノールなる経路によりフェノールを生成することを述べた。然しこれら階段的分解の他に,直接的に核と側鎖とが断裂されて,アラニンが生ずる経路があることも報告されている。1941年Felix & Zornは豚肝を用いた実験に於いて,チロジンからオキシ・ハイドロヒノンとアラニンが生ずると述べている。ついで1953年市原・柿原はBact. coli phenologenesを用い,チロジンよりフェノール生成に関する実験に於いて,フェノールはチロジンより直接生ずるとなし,フェノール定量と同時にペーパークロマトグラフでアラニンを証明したと報告しているが詳細には明らかにされていない。著者は今回新たに,一時的にチロジンの核と側鎖を断裂して,フェノールとアラニンを生成する大腸菌を大便中より分離し,新らしい事実を確認したので報告する。
- 千葉大学の論文
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