子宮頚癌患者の放射線および免疫療法に対する末梢血単球機能に関する研究

概要

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放射線治療,および免疫賦活剤(OK432)で併用治療の子宮頚癌III〜IV期の患者末梢血から単球を分離し,その量的,並びに機能的変化を追跡することにより治療に対する単球の反応性の検討を行った結果,以下のような成績を得た.1)未治療における子宮頚癌患者の進行期別末梢血の単球数動態にはwright染色,およびesterase染色とも殆ど差は認められなかった.2)放射線治療群で総白血球数,4,000/μl以下に減少した症例の単球数は,esterase染色により,リンパ球,多核白血球に比べ有意に減少し,単球のesterase活性能の低下が認められた.3)免疫賦活剤,OK432使用例では単球のesterase活性能が回復し,その回復能は8KE使用まで徐々に発現し,以後の追加療法ではほぼ平行線を辿った.4)単球のglucose消費能は,OK432治療例で健康婦人,放射線治療例より,さらにglucoseを消費する傾向が認められた.5)末梢血中の単球は量,および機能において治療の影響を受けやすく,特に免疫賦活剤による効果的併用療法は,単球の活性化の維持,ひいては腫瘍縮小作用に意義を有するものと考えられた.
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1983-03-01