子宮体癌進行度評価におけるCTとMRIの診断特性ならびに診断精度の検討
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概要
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子宮体癌36例を対象としてX線CT (CT)と Magnetic Resonance Imaging (MRI)の進行度診断における特性ならびに精度について検討した. 1. 残存体部筋層の厚さの評価に関し, MRI(r=0.861, p<0.001), CT(r=0.826, p<0.001)とも, 病理実測値との間に高い正の相関が認められたが, MRIの方が有意に (p<0.001)薄く評価する傾向にあった. 2. 我々の設定した criteriaによって境界値以下群 (以下群)と境界値以上群 (以上群)に分けると, 以上群においてMRIでは1/2以上の筋層浸潤 (p<0.001), 筋層内脈管侵襲 (p<0.05), 頚部浸潤 (p<0.05)が有意に高頻度であった. CTでは1/2以上の筋層浸潤のみが以上群において有意に (p<0.001)高頻度であり, 癌の子宮外進展に関してはCT, MRIとも両群間の頻度に有意差はなかった. また両検査法における以下群・以上群の判別はよく一致した (p<0.001). 3. 頚部浸潤に関してはCT 83%, MRI 86%といずれも有意 (p<0.01)に高い正診率であり両画像診断法の診断の一致率も91.6%と有意 (p<0.001)に高かった. 4. MRIにおいて junctional zone (j-zone)が保たれていた6例中4例は癌が内膜に限局, 他の2例も浅く狭い範囲の筋層浸潤を認めたのみであった. j-zone破綻の16例では全例筋層浸潤があり, 癌の発育は非全周性であった. 5. MRIによる進行度評価のFIGO stageに対する正診率は61.1%であり, CTによる評価でも一致率に差はなかった. 以上より, 矢状断, 横断の両断層面で評価でき, j-zoneに関する所見の得られる MRIが, 今後体癌進行度評価のための主要な検査法となっていくであろうが, CTもそれに匹敵する診断精度を有するものであることが明らかになった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-07-01
著者
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
高橋 康一
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産婦人科教室
-
飯塚 義浩
伊勢原協同病院
-
武者 晃永
伊勢原協同病院
-
山内 格
伊勢原協同病院
-
武者 晃永
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
武者 晃永
杏林大学医学部産婦人科
-
小菅 浩章
康和会久我山病院 産婦人科
-
小菅 浩章
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉岡 増夫
杏林大・医・産婦人科
-
高橋 康一
杏林大学医学部産科婦人科
-
山内 格
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
山内 格
杏林大学 産婦人科
-
吉岡 増夫
杏林大
-
飯塚 義浩
杏林大学 産婦人科
-
飯塚 義浩
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
吉岡 増夫
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産婦人科教室
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