ヒト体外受精における卵成熟度の受精・肛発育に及ぼす影響 : Follicle-stimulating hormone添加未熟卵体外成熟法の試み
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概要
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体外受精355周期において, cumulus spreading techniqueを用いて卵および放射冠を詳細に観察し, 卵成熟度と体外受精成績との関係を検討した. 放射冠の形態より卵成熟度を, 過熟(O), 成熟(M), 中等度成熟(T), 未熟(I), 異常(A)に分類した. 計2,145個の卵の成熟度の分布は, O : 24.7%, M : 45.9%, T : 19.1%, I : 8.3%そしてA : 2.0%であった. 受精率・正常胚発育率は, 卵成熟度がMのとき最高で, T・Iと成熟度が下がるにつれ順次有意に低下し, 過熟Oにおいても有意に低下した. そして, Aにおいて最低であった. 受精率・正常胚発育率は, 第一極体が観察されたとき, 観察されなかったときに比し有意に高かった. 放射冠の形態により成熟と判定されたとき, 卵丘細胞塊の形態により成熟と判定されたときよりも, 受精率・正常胚発育率が有意に高く, 放射冠の形態による卵成熟度評価のほうが成熟卵の選別能が高いと示唆された. 未熟卵(Iおよび第一極体の放出されていないT)に対して, FSH添加体外成熟培養を施行すると, 受精率・正常胚発育率が有意に上昇した. 成熟度Tの卵2個のみが採卵された1症例において, 2個ともにFSH添加体外成熟培養を施行し, 単胎妊娠となり, 正常女児が出産した. 本研究による卵成熟度評価法は, 簡便・迅速でありながら受精・胚分割率をよく反映し, その有用性が示された.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1995-06-01
著者
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
生方 良延
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
佐藤 学
杏林大
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産婦人科教室
-
勝又 木綿子
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
神野 正雄
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
佐藤 学
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
羽生 一朗
杏林大学医学部産婦人科学教室
-
生方 良延
山近記念総合病院
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産婦人科教室
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