LHRH agonistによる子宮筋腫治療の可能性について
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概要
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子宮筋腫を有する閉経期に近い婦人25例に LHRH agonist (LHRHa) として buserelin を1日当たり600〜1,200μg 4カ月間点鼻投与し, 投与前, 投与終了直前, 終了3ヵ月後の血中 hemoglobin(Hb), estradiol(E_2), CA125, LH, FSH および子宮および筋腫核容積, 中手骨 MD 法による骨塩量を比較し, LHRHa による筋腫の薬物療法の可能性を検討した. 25例中8例は1年以上の follow up にて無月経続き閉経期に移行した (閉経例). ほかの17例は終了3ヵ月以内に月経再開 (月経例) するも, うち6例は月経血は投与前より減少した. Hb は LHRHa 投与後無月経のため上昇, 終了後閉経例では高値を続けるが, 月経例は, 月経再開のため再び低下した. E_2, CA125は投与後低下, 閉経例では終了後も低値を続けるが, 月経例では, 卵巣機能の回復により上昇した. LH, FSH は, 投与後有意に低下, 終了後閉経例では上昇し, 内分泌学的に閉経期像を示すが, 月経例では投与前値に戻った. 超音波断層法による子宮および筋腫核容積は, 投与後50%前後に縮小し, 閉経例は縮小のまま経過するが, 月経例では再び増大した. 投与前後の骨塩量は変動しなかった. 副作用は hot flushes が11例みられたのみであった. 以上, 筋腫を有する閉経期に近い婦人に LHRHa を投与することにより, 筋腫の縮小と, 1/3近くの症例は閉経期に移行し, 筋腫および筋腫に伴う症状から解放された. 閉経期に近い婦人や合併症を有する婦人では LHRHa は筋腫に対する薬物療法として臨床応用可能と考えられる.
- 1990-12-01
著者
-
山田 春彦
杏林大・医・産婦人科
-
丸山 圭子
杏林大・医・産婦人科
-
丸山 圭子
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
山田 春彦
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
南野 智徳
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
生方 良延
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
安藤 索
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
高橋 康一
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
鈴木 正彦
杏林大学医学部産科婦人科学教室
-
吉村 泰典
杏林大学医学部産婦人科教室
-
鈴木 正彦
杏林大
-
安藤 索
杏林大
-
高橋 康一
杏林大学医学部産科婦人科
-
生方 良延
山近記念総合病院
-
南野 智徳
杏林大
-
鈴木 正彦
杏林大学医学部産婦人科教室
-
山田 春彦
杏林大
-
安藤 索
杏林大学医学部産婦人科
-
中村 幸雄
杏林大学医学部産婦人科教室
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