卵巣癌患者に対するシゾフィラン, ガンマーインターフェロン反復投与の検討 : 腹腔マクロファージ活性化の維持について

概要

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卵巣癌4例に対しsecond look laparotomyの前後にsizofiranの筋注とinterferonγ (IFNγ) の腹腔内投与を3〜4日間ごとに行い, 腹腔洗浄により採取したマクロファージ (Mφ) の数の増加, リポポリサッカライド刺激後のinterleukin 1 (IL-1), IFNγ, tumor necrosis factor (TNF), prostaglandin E_2 (PGE_2) の産生能の亢進がこれらの薬剤の間歇的投与により維持されているかどうか検討した。(1) Mφ数は持続的に約30倍以上に増加した。(2) IL-1産生能は持続的に約8倍以上に増加した。(3) IFNγ産生能はほぼ持続的に増加した。(4) TNF産生能は持続的に約4倍以上に増加した。(5) PGE_2産生能は持続的に約12倍以上に増加した。以上より, sizofiranとIFNγの投与を3〜4日間ごとに繰り返すことにより, 腹腔Mφに対する刺激効果は維持された。PGE_2の産生能も増加したが, IL-1, IFNγ, TNF産生能は持続的に亢進しており, 両剤の投与による活性化Mφの抗腫瘍作用が期待できることが示唆された。
社団法人日本産科婦人科学会の論文
1991-12-01