乳癌術後tamoxifen療法の閉経女性***への影響
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概要
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目的:抗エストロゲン剤として乳癌の内分泌療法に使用されているtamoxifen(TAM)の閉経女性***に対する作用を検討した.方法:1980年1月から1990年12月までの11年間に癌研究会附属病院乳腺外科で乳癌の手術を受けた奨励は4734例であった.そのうち定期的に婦人科検診を受けた876例中, 322例の閉経後症例(閉経後平均6.2年)を調査した.すなわち, TAM内服群147例を対象とし、TAM非内服群175例をコントロールとした.経過観察期間は1996年12月までで、乳癌の手術から最低6年間とした.婦人科検診は, 問診, 内診, 細胞診(腟, 頸部, 内膜), コルポスコピーを全例に施行し、必要な症例には内膜組織診, 骨盤内超音波断層法, CT, MRIを行った.成績:TAM内服群では, 1.非内服群に比して, 不正出血を訴える症例が多かった(p<0.01).2.子宮腔長は内服前に比し増加し(p<0.01), 内服終了後縮小した(p<0.01).3.腟プールスメア所見上, 表層型偏平上皮細胞が優位となり, 内服終了後は再び萎縮像を呈した.4.子宮筋腫, 卵巣病変の合併は, TAM非内服群との間に有意差を認めなかった.5.子宮内膜癌と子宮内膜増殖症の合併に関しても, 有意差はみとめられなかった.6.TAM内服中に特徴的に認められた内膜組織像は, 間質の増生を伴った内膜の肥厚像であった.内膜腺は年齢不相応で, 小腺管が密に増殖する部分と, 年齢相応に萎縮している部分が混在していた.間質の浮腫, 毛細血管の増生と拡張も認めた.結論:TAM内服中は不正出血の頻度が増え、腟プールスメア所見上エストロゲン効果を認めた.また, 組織学的にもエストロゲン効果に類似の内膜組織像を認めた.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1998-01-01
著者
-
杉山 裕子
癌研究会附属病院
-
荷見 勝彦
癌研究会附属病院
-
秋山 太
癌研究会癌研究所乳腺病理部
-
杉山 裕子
癌研有明病院婦人科
-
手島 英雄
癌研究会附属病院婦人科
-
片瀬 功芳
癌研究会附属病院
-
山内 一弘
Bml病理・細胞診センター
-
山内 一弘
癌研究会附属病院婦人科
-
横須賀 薫
至誠会第二病院産婦人科
-
手島 英雄
癌研究会附属病院
-
横須賀 薫
至誠会第二病院
-
秋山 太
癌研究会癌研究所 病理部
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