ヒトパピローマビールス感染者の臨床的, 疫学的解析
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概要
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HPV・DNAのタイプ6/11, 16/18, 31/33/35をドットハイブリダイゼーションで, 異型上皮を中心に305例測定し以下の結果を得た. (1)細胞診で異常のない人のHPV陽性例は少なかった. 異型上皮症例では軽度, 中等度, 重度と進行するに従って, 陽性率が高くなった. 術後診断で子宮頚部癌と診断された患者の約65%は術前検査でHPV陽性例であった. (2)HPV陽性者の生殖生理学的背景を分析すると, 陰性者に比して性的な成熟のやや早い, 比較的若い婦人であった. 陽性者の頻度がやや高い疫学的因子は, 婚姻状況では, 未婚者, 離別別居者であり, 職業的背景では専門職を含む自営業者, 専業主婦であり, 居住地域では住宅・商業地域であった. (3)HPV・DNAの検査を二回以上行った異型上皮症例で, 初回, 陰性であった症例で二回目に陽性化した症例は皆無であった. 初回陽性で二回目に陰性化した症例と, 陽性のままであった症例が同数存在した. (4)異型上皮で迫跡中の症例で, 8年以上の長期追跡例にはHPV陽性例は極めて少なかった. 2年以上8年未満の中期追跡例では, 半数近い47.8%がHPV陽性例であった. 2年未満の短期追跡例では31.9%がHPV陽性例であった.
- 社団法人日本産科婦人科学会の論文
- 1991-05-01
著者
-
可世木 博
愛知県がんセンター婦人科
-
水野 一夫
愛知県がんセンター婦人科
-
太田 正博
愛知県がんセンター婦人科
-
丹羽 邦明
愛知県がんセンター消化器外科
-
太田 正博
東海卵巣腫瘍研究会
-
丹羽 邦明
愛知県がんセンター婦人科
-
カサノバ エクトル
愛知県がんセンター婦人科
-
石古 博昭
三菱油化BCL
-
太田 正博
名古屋大医
-
可世木 博
可世木病院
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