農作物加害中・大型哺乳類追い上げ事業の理念と課題
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概要
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日本農業は国内外の社会経済的条件の中で危機的状況にある。中大型獣による作物被害は, 農業衰退の直接的な要因でないにしても, それを加速する作用をしていることは否定できない。自然との共存が説かれるなか, 非致死的な被害防除が求められ, 追い上げもその一つとして考えられている。しかし, 後継者不在のまま高齢化が進む農村では追い上げの人手を割くことが難しい。農村の活力の低下とは裏腹に, 都市への人口集中と自然環境の減少が進行し, 都市住民の田園指向は高まっている。この田園指向の実現に追い上げ(アニマルパトロール : AP)を加えることは, 農村及び都市住民双方のニーズを充たすことが可能である。そして, これを実現する手法として考えられるのが「追い上げ事業 : アニマルパトロールプロジェクト(APP)」である。これの成立は, 都市住民のAPPボランティアとしての意欲と農村社会の受入可能性に依存する。これまでの実践的なトライから, 農村社会の開放性, 行政の理解とリード, 都市住民のニーズと志向, 農村社会の活力, 対象動物の種類, AP以外の被害防除方法の実現程度, 情報発信などの要因が検討されるべきことがわかった。青森県八森町では, すでにAPを実践しており, 一定の成果と経験を蓄積しており, この先行的な事例をAPの普及に活用することも検討される必要がある。
- 野生生物保護学会の論文
- 2001-09-30
著者
-
小金澤 正昭
宇都宮大学農学部附属演習林
-
江成 広斗
宇都宮大学農学部附属里山科学センター
-
江成 広斗
東京農工大学
-
江成 広斗
京都大学霊長類研究所
-
丸山 直樹
東京農工大学
-
神崎 伸夫
東京農工大学農学部地域生態システム学科野生動物保護学研究室
-
小金澤 正昭
宇都宮大学
-
和田 一雄
アニマルパトロールプロジェクト事務局
-
伊藤 泉文
アニマルパトロールプロジェクト事務局
-
和田 一雄
山梨県環境科学研究所
-
神崎 伸夫
東京農工大学
-
神崎 伸夫
東京農工大学農学部地域生態システム学科
-
丸山 直樹
農工大・農
-
丸山 直樹
東京農工大学農学部
-
小金沢 正昭
宇都宮大
-
丸山 直樹
東京農工大学農学部地域生態システム学科
-
和田 一雄
京都大学
-
和田 一雄
山梨環境科学研究所
-
和田 一雄
東京農工大学農学部野生動物保護学研究室
-
和田 一雄
日本ラッコ協会
-
神崎 伸夫
東京農工大学農学部生態系計画学講座
-
Wada Kazuo
Primate Research Institute Kyoto University
-
Wada Kazuo
Kyoto Univ. Aichi Jpn
-
Wada Kazuo
Wildlife Conservation Society C
-
Wada Kazuo
Cooperation Program Primate Research Institute Kyoto University
-
Enari Hiroto
Department Of Ecology And Social Behavior Primate Research Institute Kyoto University
-
Enari Hiroto
Laboratory Of Wildlife Conservation Department Ecoregion Science Faculty Of Agriculture Tokyo Univer
-
Enari Hiroto
Laboratory Of Wildlife Conservation Department Of Ecoregion Science Faculty Of Agriculture Tokyo Uni
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