Allium fistulosum L. と A. schoenoprasum L. の類縁関係の細胞遺伝学的検討
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概要
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Allium属植物中, 相互に近縁な異なる2節にそれぞれ分類されるA. fistulosum L.とA. schoenoprasum L.の類縁関係を検討するため, 2種(ともに2n=16)間のF_1雑種を作出し, 細胞遺伝学的調査を行った.雑種個体(2n=16)は両方向の相反交雑で胚または胚珠培養法により得られたが, A. fistu-losumを子房親にした組合せではその獲得率が極めて低かった.雑種個体の花粉母細胞減数分裂第一分裂中期では16_1または1_<II>+14_Iの対合型が最高頻度であり, 四分子期では四分子が最高頻度であったが, 二∿七分子も観察された.葯の発育については充実葯, 退化葯およびこれら両方をもつ個体に分かれた.充実葯をもつ個体では非還元性花粉が形成され, 染色花粉率は13∿65%であった.A. fistulosumとの戻交雑では次代植物は得られなかった.雑種個体の稔性回復を目的に染色体倍加個体を作出した.充実葯をもつ雑種個体由来の倍加個体では, 染色花粉率は64%であったが, 放任受粉およびA. fistulosumとの戻交雑では次代植物は得られなかった.一方, 葯が退化した雑種個体由来の倍加個体では, 葯は退化し, 花粉不稔性であった.以上の結果から, A. fistulosumとA. schoenoprasumはゲノムの相同性は非常に低く, 類縁性の程度が小さいことが明らかになった.
- 園芸学会の論文
- 1999-09-15
著者
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