オオムギにおける節間伸長開始期の品種間差異について
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概要
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本研究ではオオムギの凍霜害発生と密接な関係にある節間伸長開始期について,温度および日長に対する反応の品種間差異を明らかにしようとした。節間伸長開始期が早いほど,概して出穂期も早い傾向にあったが,種類および来歴によっては出穂期が早い割合に節間伸長開始期の比較的遅い品種や系統も認められた。一部の品種について温度および日長に対する反応をみると,長日条件下においては節間伸長開始期の品種間差は温度の高低にかかわらずほとんどみられず,いずれの品種も低温によって一様に節間の伸長が遅延した。しかし短日条件下では低温および高温のいずれの区においても節間伸長開始期に品種間差がみられた。とくに高温条件ではその差が拡大し,短日に対する反応の著しい品種ほど節間の伸長は抑制された。以上から短日条件に対する節間伸長開始期の遅延反応によって,暖冬年の早春における節間伸長の開始を抑制し幼穂凍死を回避するような早生品種育成上の試みについて論議した。
- 日本育種学会の論文
- 1984-06-01
著者
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