Solanum melongena と Solanum sanitwongsei の細胞融合雑種個体の特性
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概要
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ナス台木カレヘン(S.sanitwongsei)は青枯病(Pseudomonas solanacearum )に対して強い抵抗性を示すが,初期生育が遅いため台木として一般に普及していない。そこで,カレヘンの病害抵抗性とS. melongeuaの旺盛な初期生育要因を合わせ持った植物体を作出するため,電気融合を試みた。両種を融合したプロトプラストを1,000 ppmの青枯病萎凋誘導物質を添加したKM(8p)培地で培養した。得られた再分化個体8個体を青枯病菌汚染圃場で選抜し,青枯病抵抗性の細胞融合雑種個体1個体を得た。この雑種は両親の中間の特性を示し,染色体は48本観察され,花粉稔性は82.3%であり,着果した。また,種子も得られたこの雑種個体は,カレヘンと同程度の青枯病抵抗性を示した。雑種性については,RAPDマーカーを用いて判定した。雑種個体の自殖第一代の初期生育は,カレヘンと比較して有意に優れており,青枯病抵抗性も有していた。また,この自殖第一代にS. melongenaを接ぎ木した苗と,カレヘンにS. melongenaを接ぎ木した苗の収量調査を行った結果,前者の初期収量は優れ,両者の1植物体当たりの収穫数に有意な差は無かった。以上の結果,この雑種個体は台木として有望であると考えられる。
- 日本育種学会の論文
- 1994-09-01
著者
-
浅尾 浩史
奈良農総セ
-
佐藤 隆徳
野菜茶試
-
平井 正志
農研機構野菜茶研
-
荒井 滋
奈良県農業技術センター
-
浅尾 浩史
奈良県農業総合センター
-
平井 正志
野菜・茶業試験場野菜育種部
-
佐藤 隆徳
野菜・茶業試験場
-
浅尾 浩史
奈良県農業技術センター
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