耐倒伏性に優れるダイズ新品種「サチユタカ」の密植・無中耕無培土栽培
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概要
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九州沖縄農業研究センターで育成された新品種「サチユタカ」を供試して密植・無中耕無培土試を1999〜2001年の3年間実施し、以下の結果を得た。1.「サチユタカ」は「フクユタカ」と同程度の収量性を示し,「フクユタカ」より主茎長が短く耐倒伏性が極めて高かった。2.「サチユタカ」の最下着爽節位高は「サチユタカ」より低いが、密植により高まり,2000,2001年ともコンバイン収穫に必要な刈高さである15cmを確保した。3.中耕培土の省略が「サチユタカ」の子実収量を低下させることは3年間の試験を通じて,認められなかった。平年の天候であれば,「フクユタカ」で生じる倒伏もほとんど認められなかった。4.「サチユタカ」の子実重は畦幅を70cmから35cmへ狭めても増加しなかった。これらの結果より,「サチユタカ」の九州地方での栽培を普及現場で定着させるためには,密植による多収栽培技術確立の必要性が明らかとなった。さらに,中耕培土の省略,あるいは簡易化に関する栽培試験についても,倒伏性が優れる「サチユタカ」を利用することによっても進展するものと期待される。
- 日本作物学会の論文
- 2003-05-15
著者
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