ダイズ葉における光合成の光阻害 : 第1報照射光強度および照射時間が光-光合成曲線に及ぼす影響

概要

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通常の光条件下で生育させたダイズ葉に, 異なる強度と照射時間の組み合わせから成る光照射処理を通常の気体条件下で行い. 処理後に得られた光-光合成曲線から, みかけの飽和光合成速度(P_0)および光-光合成曲線の初期匂配から求められたみかけの量子収量(QY)の光阻害を定量的に調べた. 1. 2700μE/m^2/secの光で照射処理された葉では, 処理後2時間で, P_0およびQYに顕著な光阻害が観察されたが, 1760μE/m^2/secの光で照射処理された葉では, 12時間後に顕著な光阻害が観察された (Fig. 1 および Table 2). 2. 1760μE/m^2/sec以下の光で処理された葉では, 処理後6時間までP_0の光阻害は起こらなかったが, QYには処理後4時間ですでに僅かな光阻害が観察された (Table 2). 3. 光阻害はP_0よりQYにより顕著に起こった (Table 2). 4. 通常の光条件下で生育したダイズ葉は, 通常の気体条件下で光照射された場合, 光阻害-特にP_0の-に関してかなり大きな耐性を備えていることが示された. このことから, ダイズには光阻害の効果的な回避機構が存在する可能性について考察した.
日本作物学会の論文
1983-09-05