水田モデル生態系におけるベンチオカーブの動態
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概要
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ベンゼン環を^<14>Cで標識したベンチオカーブの水田モデル生態系環境における挙動について研究した.イネのほか, コイナゴ, トビイロウンカ, ネッタイイエカの幼虫, キクヅキコモリグモ, ミジンコ, リウキウベニイトトンボの幼虫, ウキクサ, カダヤシ, 緑藻(サヤミドロ属の一種), マルタニシの10種類の生物が本研究の生態系実験に使用された.実験の末期(標識化合物使用後23日)における放射性活性物質のヘキサンによる抽出物は使用した標識化合物に対し水中2.73%, 砂中23.18%, 生物体中の31%であった.これら生物体によるベンチオカーブの代謝物として, 若干の未同定化合物のほか, いくつかの既知の代謝物が検出された.この研究の結果, ベンチオカーブはかなり低い生物濃縮率, および高い生物分解指数を示しており, 生態系におけるこの除草剤が環境影響的にみてきわめて安全性が高いことを示した.本研究に用いた水田モデル生態系は, 農薬の環境におよぼす影響についての研究, とくに水田用農薬にとっては非常に効果的でありかつ有用であると思われる.
- 1982-08-20
著者
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陳 玉麟
Department Of Agricultural Chemistry National Taiwan University
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陳 淑娟
Department Of Entomology And Plant Pathology National Taiwan University
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徐 爾烈
Department of Entomology and Plant Pathology, National Taiwan University
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徐 爾烈
Department Of Entomology And Plant Pathology National Taiwan University
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