除草剤ブタクロールの水溶液中における光分解
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
除草剤ブタクロール(マーシェット^[○!R])の飽和水溶液(23.5 ppm)を用いて紫外線および太陽光線下における光分解を行ない, ガラス板上に薄膜状としたものの紫外線分解と比較した.水溶液における光分解は薄膜での分解よりも複雑でありより速やかに分解し, 多くの分解物を与えた.半減期は紫外線下では薄膜状の1.5時間に対し水溶液中では0.8時間であったが, 太陽光線下では5.4時間を要した.Tlcおよびglcによる分析で, 薄膜状の場合には7種の分解生成物の存在を認め, そのうち4化合物の構造を同定または推定したが, 水溶液中における光分解では少なくとも24種以上の光分解産物の存在が認められ, そのうち4化合物2-chloro-2', 6'-diethylacetanilide (VII), 2, 6-diethylaniline (XIX), m-xylene (XXI), およびtoluene (XXIII)の存在を標準品との比較によって同定し, 2-hydroxy-2', 6'-diethyl-N-(butoxymethyl) acetanilide (II), 2', 6'-diethyl-N-(butoxymethyl) acetanilide (III), N-2', 6'-diethylphenyl-2, 5-dihydrooxazol-4-one (V), N-phenyl-2, 5-dihydrooxazol-4-one (VI), 2, 2-dichloro-2', 6'-diethylacetanilide (VIII), 2-hydroxy-2', 6'-diethylacetanilide (IX), m-ethyltoluene (XX), ethylbenzene (XXII)および化合物XI, XII, XIIIなど11化合物の構造をGC-MSによって推定した.その他の9化合物, m/e 275 (IV), 177 (X), 278 (XIV), 170 (XV), 160 (XVI), 160 (XVII), 146 (XVIII), 156 (XXIV)およびXXVの構造は未同定である.
- 日本農薬学会の論文
- 1982-02-20
著者
-
陳 玉麟
Department Of Agricultural Chemistry National Taiwan University
-
王 一雄
Department Of Agricultural Chemistry National Taiwan University
-
羅 致述
Department Of Agricultural Chemistry National Taiwan University
-
陳 玉麟
Department of Agricultural Chemistry, National Taiwan University
関連論文
- Two New Flavanones and Two New Chalcones from the Root of Derris laxiflore BENTH
- Two New Clerodane-Type Diterpenoids, Clerodinins A and B, from Clerodendron brachyanthum SCHAUER
- サトウキビにおけるイソウロンの吸収および移行
- イネの種子発芽と幼植物の生育に及ぼすグリホサードの影響
- 水田モデル生態系におけるベンチオカーブの動態
- グリホサートによるホテイアオイ(Eichhornia crassipes)防除後の水域における残留
- 除草剤ブタクロールの光分解
- メチルオイゲノール関連化合物のミカンコミバエおよびウリミバエに対する誘引効果
- 除草剤イソウロンの水系環境における生分解
- 湛水土壌におけるチッ素の形態変化および土壌微生物におよぼす除草剤ブタクロールの影響
- 水田モデル生態系における除草剤ナプロアニリドの運命
- 除草剤ブタクロールの水田における分解および消失
- 台湾の畑土壌中における除草剤イソウロンの分解
- 土壌中における除草剤イソウロンの移行および吸脱着
- 除草剤ブタクロールの水溶液中における光分解
- S-2 アジア太平洋雑草学会について
- 除草剤ブタクロールの土壌微生物による分解