高炭素高バナジウム鋼研削におけるCBN砥石の摩耗特性

概要

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本研究は, 高炭素高バナジウム鋼研削時のCBN砥石の摩耗機構を実験的に検討したものである。すなわちCBNレジノイド砥石による3.2%C-11.4%V鋼の平面プランジ研削実験を行い, 砥石半径減耗量, 砥石摩耗率, 研削抵抗及び砥粒切れ刃密度等の研削特性値を測定し, 砥石摩耗を支配する要因について検討した。また砥石摩耗の形態を明らかにするため, 砥石作用面状態の変化を二段レプリカ法を用いて微視的に観察した。得られた結果は主に次のようである。(1)砥石摩耗率γ_gは, 砥粒切込み深さ係数ψ_g=(υ/V)√<t/D>がある臨界値ψ_<gc>=5.6×10^<-5>以下のとき, 近似的にψ_g^<0.32>に比例する。しかしψ_gがψ_<gc>を越えるとγ_gは急激に増大するようになる。(2)単一砥粒切れ刃に作用する平均研削抵抗f_<ts>は, ψ_gがψ_<gc>以下のとき, ψ_gとほぼ一義的な関係を有する。このことから砥石摩耗率γ_gは近似的にf_<ts>^<0.41>に比例することが示された。
公益社団法人精密工学会の論文
1982-12-05