ネズミにおける2つの弁別課題間の選択行動 : 手がかり刺激の差異の効果
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概要
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本研究の目的は, 光刺激のみを手がかり刺激として利用し得る弁別課題と, 光刺激と位置の両方を手かかりとして利用し得る課題のあいだの選択行動を分析することにより, 2つの課題における手がかり刺激の差異がそれらの課題の間の選択行動に及ぼす効果を検討することであった。3匹のウィスター系ネズミを被験体として, 正反応レバーの位置が光刺激とともに試行ごとにランダムに変化し, 毎回強化されるためには光刺激を手がかり刺激として反応しなければならない課題と, 正反応レバーの位置がつねに固定されており光刺激と位置のどちらを手がかり刺激としても毎回強化され得る課題のあいだの選択行動が, 並列連鎖強化スケジュールを用いて分析された。その結果, 選択行動の安定期におけるこれら2つの課題での正答率(すなわち, 強化確率)はほぼ100%であり相等しいにもかかわらず, 全個体が後者の課題をより多く選択し, かつそのような後者の課題に対する選好は2つの課題をもたらすレバーの位置を逆転したのちにも見い出された。それゆえ, 2つの課題における強化頻度は相等しいにもかかわらず, ネズミは光と位置の両方が手がかり刺激として利用し得る選択肢の方をより多く選ぶことが示唆された。
- 日本行動分析学会の論文
- 1988-03-31
著者
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