暖地甜菜の移植栽培について : (第 1 報)苗の大きさが生育に及ぼす影響
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概要
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1961及び62年の2年間, 導入2号, Trirave, GW 674の3品種を用いて行った甜菜の移植栽培試験の結果をとりまとめ, 主に, 移植苗の大きさによる移植後の生育について検討した。1) 9月5日, 50日育成の苗を用いて, 垂直に, 先端が曲らないように注意して定植した。大苗は, 葉長, 根長, 根径が各々, 40cm, 15cm, 2cm以上とし, 小苗は, 25∿40cm, 8∿15cm, 1∿2cmとした。2)小苗は移植後, 植傷みの回復が早く, 12月の生育限界期までは大苗より地上部生育が旺盛であるが, それ以後は, 大苗, 小苗の明らかな生育差は認められなかった。3)有効根長は移植苗の直根の長さに大きく支配され, 苗採取時の根切断の影響は大きいようである。4)根径・根重はいづれの品種も大苗が小苗より大である。根径, 根重共最大はTrirave大苗であり, GW 674大苗, Trirave小苗の順である。5)小苗は大苗より目立って多くの分岐根の発生がみられる。これは, 大苗と小苗の生育段階のずれが, 移植によって根の発育段階にまで影響を与えた結果ではないかと考えられる。
- 神戸大学の論文
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