水稲乾田直播における土壤水分含量と出芽について

概要

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水稲乾田直播における土壌水分と出芽の関係を調査するため, 水分含量10%区, 15%区, 20%区, 25%区及び30%区を設け, 金南風を播種し約4cmの覆土を行った。各区の発芽所要日数は25%区及び30%区が播種後4日, 20%区は6日, 15%区は10日であった。然し10%区では12日を経過しても僅かに6%が発芽したのみであった。種子根は発芽と前後して出現し, 土壌水分が減少するほど発芽に先行し, 10%区では種子根のみが出現し発芽に至らない個体がかなりあった。発芽が阻害された10%区を除き鞘葉の伸長につれて中茎が出現した。播種後12日の調査では中茎の長さは1∿2mmから13∿14mmに達する個体があり, 各区においても個体間の差異があった。鞘葉の先端が地表面に接近し伸長を停止する時期に第1本葉が抽出しつづいて第2本葉が出現した。これらの発育にともなって鞘葉節根は出現伸長した。従って本実験の範囲では土壌水分25%程度を最適条件とし, それより水分が減少するほど水稲の発芽並びに初期生育は遅延し, 10%程度の水分では発芽が阻害されることが明らかになった。また30%区では初期生育の過程で25%区より僅かに劣る傾向が認められた。