暖地における採種用甜菜(導入 2 号)の播種限界と抽苔, 開花, 稔実に関する生態的研究
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概要
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本実験は, 導入2号を10月より2月まで5ケ月に亘り播種し, 各播種区における抽苔, 開花, 稔実に移行する相的発育現象を明らかにし, 発育過程での個体間差異の出現を追究し, 採種量及び種実の品質を比較し, その播種限界を検討したものである, 発芽所要日数は, 播種期の早い区程少なく, 低温乾燥による発芽障害は, 12月16日播き区を最高として, その前後である。播種が早いと, 母根は可なり生育してから低温に遭遇するので, その後の発育相は順調に移行する。播種が晩い程, 生殖生長は不完全で, より初期の発育相のままの個体が多く, 品種内での個体間差異の発現が著しい。気温が上昇してから発芽を始める1月以降の播種では, そのまま栄養生長を続けて, 生殖生長に移行することは稀れである。従つて, 実際栽培から見た採種量及び種実の品質は, 晩くとも10月1日頃に播種すると, 大部分の個体が正常に花成, 登熟を達成し, 採種量も多く, 1,000粒重も重く, 実用が可能であるが, 10月16日頃以後の播種では, 晩い程漸次稔実株数を減じ, 採種量は激減し, 1,000粒重も低下するので, 採種栽培としての条件は不利となり, 実用化は期待出来ない。
- 神戸大学の論文
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