甜菜における根部の生態学的研究 : 第 I 報 夏播き甜菜の根の発育に伴なう根系の変化と土壤温度の関係
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概要
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暖地夏播き型甜菜は, 生育初期の土壤温度は25℃内外で, 最適の温度条件の下に, 地上部の生育は旺盛で, 葉長は急速に伸長し増加しつつあった。地下部では, 直根は下層にまで伸長し, 新鮮な側根の発育が認められた。生育中期になり気温が下降するに従がい, 土壤温度も上層程下降の傾向が強く現われ。下層との間に温度差を生じ始めた。この頃, 地上部では葉長の伸長から葉数の増加に転じ, 生体重は急激に増加した。地下部でも根冠は肥大し始め, 生根重も増加したが, 地上部に比較し根部の生育は遅れた。然し生育中期以後, 温度が下降する程, 地上部の生育は緩慢になった。これに反し地下部では, 根系は土壤中に広く分布し, 細根はなお旺盛な活動を行なっており, 根部は肥大を継続し, 生根重は増加した。生育の後期になり, 糖分蓄積に必要な低温期を迎え, 根部の肥大は次第に停滞する様になり。網状に拡がった細根は老化し始め, 強靱になった。地上部では外側の老成葉から枯死するものが生じ, 生体重は減少したのでT/R比は低下した。
- 神戸大学の論文
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