野草の調理科学的研究 : 第一報 : 野草の利用についてのアンケート調査
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概要
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兵庫県加東郡社町周辺地域における野草の利用についてのアンケート調査を行った。その結果は次の通りである。1) 名前も知っているし, よく見かける野草として, ワラビ, ツクシは100%, タンポポ, ヨモギ, フキ, ゼンマイなどは90%以上であった。2) 全く名前も知らないし, 見かけたことがない野草に, ウコギ67.2%, アカザ60.3%, タラノメ51.9%があげられていた。3) 名前も知っているし, よく見かける野草の中で, タンポポを除いて, ワラビ, ツクシ, ヨモギ, フキ, ゼンマイなどがよく食べられており, よく知っている野草はよく食べられていた。4) タラノメ, ノビルを知らないものが約50%, 全く食べたことのないものが79.4%あった。5) 野草のイメージで好ましい点は, 季節感49%, ほろ苦い味や香りがよいが23.5%, その反対に好ましくない点として, 限られた時期にしか摘み取ることができない, 入手困難が35.8%, アク抜きに手間がかかる25.4%, 味や香りが好ましくないが31.2%あった。6) アクに対するイメージは, にがみ, えぐみ, 渋みなど味に関するものが65.3%で多くあげられていた。7) アク抜きの方法は, ワラビ, ゼンマイに灰が多く用いられ, その他の野草では, 湯だけの処理が, セリで73.3%, ツクシ64.7%, フキ61.2%, ヨモギ58.5%, ウド40%と多かった。8) 野草の調理法としては, 煮物, 和えもの, 餅・団子, 浸し物, 佃煮などが多く, 煮物には, ゼンマイ59.3%, フキ57%, ワラビ, ツクシなどがよく用いられ, 和えものにウド66.7%, 浸し物にセリ59.1%などが多く, ヨモギは餅・団子のみであった。佃煮にはフキ, ツクシを, 炊き込み飯にワラビ, ゼンマイ, セリを, すしにはツクシが用いられていた。その他, 天ぷら, 汁の具, 鍋物, 菓子類, パンなどに僅かであるが調理されていた。
- 日本調理科学会の論文
- 1986-12-20
著者
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