「〓〓」(Gangjung)(強精・韓国の米菓)の膨化について
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概要
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本研究は韓国の代表的な菓である「〓〓」(Gangjung)の製造過程において膨化に及ぼす要因を明らかにするために行ったものである。その結果をまとめると次のようである。1) 浸漬温度は5℃より20℃の方が, 浸漬日数はある程度までは長い方がよい結果が得られた。2) 搗く回数は多いほどよい成績のものが得られた。3) 乾燥日数は長すぎない方がよく, 揚げる前の水分含量は14.5%前後, 水分活性0.6付近のものがよい成績であった。4) 揚げ方は一度揚げより二度揚げの方が膨化が良好であった。以上の結果から水分含量及び含気量の多いものは水蒸気圧及び空気の膨張圧が高くなるため膨化がよく, また搗いた直後の試料の粘弾性の低いものは膨張に対する抵抗が小さくなるため膨化がよく行われるものと思われる。従って膨化の良否は試料中の水分と空気が加熱によりひきおこす膨圧の強さとそれに対する試料の外壁の抵抗力及び伸びやすさとのつりあいに依存するものであろうと考えられる。
- 日本調理科学会の論文
- 1984-07-01
著者
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