鰹節のだし汁に関する研究 : 第2報 : 水だしについて
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概要
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水だしについて煮だしを対照として官能テストと色、香気、粘度を測定し調理上の特性を明らかにした。1. 官能テストにより20℃水だしは、香はうすいが生くささが感じられず味も淡白で上品な点で煮だしより好まれることが示された。2. 水だしの色は、彩度の低い黄色系で明度が高い。煮だしとの色差はNBS単位(ΔE)9.3〜11.6で感覚的の差はmuch(大いに)であった。3. 水だしの香気は、煮だしと比較して揮発成分の質的な差が殆んどなく、各成分のパターンも類似していた。その差は量的なものでHSV組成比の計で薄片状の場合、20℃水だしは煮だしの71〜82%、5℃水だしでは50〜57%であった。試料形態による差も同様な傾向であったが、粉砕の場合20℃水だしは薄片状煮だしの180.2%、5℃水だしは190.8%、煮だしは272.5%であった。各ピークの数値が薄片状よりも高いものが多く、特にトリメチルアミンを含む2成分に著しい差が認められた。4. 粘度については水だしと煮だしおよび試料形態における差は、みられなかった。
- 日本調理科学会の論文
- 1981-05-20
著者
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