鰹節のだし汁に関する研究 : 第1報 : 水だしについて
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概要
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鰹節の水だし汁のとり方について浸出温度、時間と試料形態について検討した結果は次のようであった。1.浸出温度20℃では、粉砕のもので16時間、薄片状で20時間,5℃では,いずれも32時間で旨味成分の浸出量が最高に達することが認められた。2.各成分の浸出量は、時間の経過に伴って増加したが一定時間の後は減少した。従って過度の浸出時間は、かえってマイナスになる。3.だし汁の採取量は自然〓過では薄片状の方が、吸引〓過では粉砕のものの方が、より多く得られた。4.5'-AMPの浸出量は一定時間の経過後に減少し入れかわりに5'-IMPが増加した。5.各成分の浸出量は10〜30分の浸出でも、かなり高く5'-AMPは煮だし汁の66〜77%、5'-IMPは80%であった。6.水だし汁(最高の浸出条件)と煮だし汁の5'-AMP、5'-IMPの浸出率を比較すると5'-AMPでは煮だし汁は鰹節中の含有量の約70%であり、水だし汁は煮だし汁の約1/2であった。5'-IMPについては両者間に大きな差はなく約80〜90%であった。
- 1981-02-20
著者
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