食品素材を加熱処理した際に変化するプロトン緩和挙動の特徴
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概要
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日本食品標準成分表で分類した食品群をそれぞれ70℃で30分間加熱した後,30℃でそれらのプロトンのスピン-スピン緩和挙動を加熱前の緩和挙動と比較した。野菜を除いたほとんどすべての食品素材の緩和過程におけるシグナル強度は,加熱すると未加熱の場合よりも高くなった。すなわち,それは野菜以外の食品素材では緩和曲線上のFast成分の比率が減少してSlow成分の比率は増加したが,野菜中のプロトンの成分比率は加熱処理してもほとんど変化しなかったためである。一方,魚介類ではSlow成分の緩和時間は加熱後に遅くなる場合が多かったが,これとは対照的に野菜類中のSlow成分の緩和時間は加熱後に速くなる場合が多かった。したがって,このように日本食品標準成分表で分類されている食品群ごとに特徴的なプロトンの緩和挙動がみられたことから,プロトンの緩和挙動が食品素材の熱安定性などの調理特性を反映している可能性が示された。
- 日本調理科学会の論文
- 2002-08-20
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