水稲害虫の総合防除 : 非塩素系殺虫剤への移行と殺虫剤散布量軽減のための具体的試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
水稲害虫の総合防除の第1段階として, クモ類などの天敵類に影響の少ない, 殺虫剤を用い散布回数と散布濃度の両面から, 散布量を減少させる試みを行なった。1)1969年にはニカメイガ防除剤としてBHC剤から有機燐剤(MEP, ダイアジノン剤)への移行の試みを行なった。その結果, 有機燐剤の方がニカメイガに対する防除効果が高く, 収量も慣行防除田よりは, 増収が期待できることが実証された。2)1970年にはクモ類に影響の少ない殺虫剤を用い, 慣行より1〜2回少ない散布回数による防除を試みた。その結果, クモ類に影響の少ない薬剤の方がウンカ・ヨコバイ類に対する防除効果は高く, 慣行より1〜2回防除回数を減らしても収量は慣行よりも高いことが実証された。3)1971年にはクモ類に影響の少ない薬剤を, 慣行より1〜2回散布回数を減少させたうえ, 散布濃度を2分の1に減少させて防除を試みた。その結果, ニカメイガは発生が少なく防除効果を判定できなかったが, ウンカ・ヨコバイ類の防除は可能であり, 収量も慣行防除田と同等であった。
- 日本応用動物昆虫学会の論文
- 1972-06-25
著者
-
井上 孝
高知農林技研
-
井上 孝
高知県庁
-
桐谷 圭治
高知県農林技術研究所
-
中筋 房夫
高知県農林技術研究所
-
川原 幸夫
高知県農林技術研究所
-
笹波 隆文
高知県農林技術研究所
-
川原 幸夫
高知農林技研
-
笹波 隆文
埼玉がん研
関連論文
- 424 ウリハムシ各世代成虫の産卵に及ぼす日長の影響(一般講演)
- 218 ウリ類のウリハムシ成・幼虫による被害査定からみたシルバーポリマルチ法の評価(一般講演)
- ウリハムシの総合防除(II) : 被害と生態的防除法(一般講演)
- ウリハムシの総合防除(I) : 個体群密度の季節的変動を支配する要因(一般講演)
- 359 ショウガの心食虫(アワノメイガ)の生態的防除法
- 水稲害虫の総合防除 : 非塩素系殺虫剤への移行と殺虫剤散布量軽減のための具体的試み
- 350.水稲害虫の総合防除 : 非塩素系殺虫剤への移行と殺虫剤散布量軽減のための具体的試み
- 233. 水稲害虫における殺虫剤と天敵のインテグレーション(一般講演)
- 352. 塩素および有機燐剤による水稲害虫の防除効果 : 総合防除の基礎技術
- ツマグロヨコバイのマラソン抵抗性の発現機構に関する研究
- 235. ツマグロヨコバイのマラソン抵抗性出現機構の考察
- 304 二期作地帯におけるツマグロヨコバイの発生と萎縮病保毒虫の存在および発病時期について(虫媒ウイルス学・昆虫病理学・不妊剤, 昭和41年度日本農学会大会分科会)
- 125 ミカンノトゲコナジラミの生育過程からみた薬剤散布の問題点について(昭和38年度日本農学会大会分科会)
- 48 ミカンノトゲコナジラミの選択的な加害状況について(昭和37年度日本農学会大会分科会)
- 21 ニカメイチュウの被害と水稲の作付との関係について(昭和36年度日本農学会大会分科会)
- 23 ニカメイチュウの発生経過と水稲作付との関係について(昭和35年度日本農学会大会分科会)
- D11 合成性フェロモンによるシロイチモジヨトウの防除 : 2.施設ネギにおける交信撹乱効果(生理活性物質)
- D10 合成性フェロモンによるシロイチモジヨトウの防除. : 1.露地ネギでの大面積処理による交信撹乱効果(生理活性物質)
- ツマグロヨコバイの卵塊卵粒数の変異
- I.農薬の使用と生物相の変化(日本応用動物昆虫学会第11回シンポジウム記録)
- ツマグロヨコバイにおける殺虫剤抵抗性とアリエステラーゼとの関連について
- トビイロウンカの翅型決定における密度の累積効果
- 書評, 大竹昭郎著, 動物生態学 : その理論と実際, 共立出版, 224ベージ
- 2種のタマゴヤドリコバチにみられる種間競争について(第2報) : 寄主の分布様式のちがいは競争結果にどのような影響を与えるか
- 2種のタマゴヤドリコパチにみられる種間競争について
- C312 イネ萎縮病要防除密度に関する理論モデルとその検証(害虫管理)
- 333 (II) Time factorを考慮した相互作用系とシミュレーション(一般講演)
- 225 水田におけるPredator-Preyシステムの解析 : (3)システムの行動からみた天敵の利用とその限界(一般講演)
- 224 水田におけるPredator-Prey systemの解析 : (2)Predator-Prey systemのモデル記載(一般講演)
- 108 ツマグロヨコバイの総合防除 : III シミュレーション
- 106 ツマグロヨコバイの総合防除 : I システムズ・アナリシス
- 水田に生息するドクグモ類の寄主選択性
- ツマグロヨコバイにたいするスミチオンとメオバ-ルの相乗効果
- 3. 農業生態系における天敵の役割(シンポジウムI 農薬の使用と生物相の変化)
- 417. ツマグロヨコバイの個体群動態(一般講演)
- クモ類の捕食能力の室内実験による評価法
- 118. ツマグロヨコバイの個体群密度の変動におよぼすクモ類の役割
- 殺虫試験とエステラ-ゼ活性からみたツマグロヨコバイのマラソン抵抗性個体群の分布
- ミナミアオカメムシの近接個体群間にみられた生理・生態学的特性のちがい
- 310 ツマグロヨコバイに対する捕食者としてのクモの役割(生態学, 昭和44年度 日本農学会大会分科会)
- 309 ツマグロヨコバイの個体数変動におよぼす密度効果の評価(生態学, 昭和44年度 日本農学会大会分科会)
- 112 イガおよびコイガのステロール要求について(昭和40年度日本農学会大会分科会)
- A-23 イネのアザミウマ類の生態と黒点症状米(個体群生態学・コガネムシ類)
- E10 普通期水稲における食葉性害虫の被害解析(発生予察・被害解析・防除技術)
- 309 コサラグモ類の個体群生態(一般講演)
- 223 水田におけるPredator-Prey systemの解析 : (1)クモの消失率と捕食率の推定(一般講演)
- キクズキコモリグモ(Lycosa pseudoannulata(BOES.et STR.))の個体群生態
- 109 キクズキドクグモの増殖期におけるpopulation processの解析
- 107 ツマグロヨコバイの総合防除 : II ドクグモ個体群のシステム
- 148.農薬無散布水田におけるクモ類個体群の年変動
- 416. 水田における捕食性天敵の役割(一般講演)
- 353. 食物連鎖を通じて農薬が天敵におよぼす影響
- 109 ヒルガオハムグリガの2型とその出現要因(生態学, 昭和41年度日本農学会大会分科会)
- ミナミアオカメムシの卵塊および幼虫集団サイズと生存率
- 141 ツマグロヨコバイ個体群動態V. 個体群の密度調節機構(生態学, 昭和43年度日本農学会大会分科会)
- 140 ツマグロヨコバイの個体群動態IV. 成虫期の死亡要因とその働き方(生態学, 昭和43年度日本農学会大会分科会)
- 139 ツマグロヨコバイの個体群動態III. 幼虫期の死亡要因とその働き方(生態学, 昭和43年度日本農学会大会分科会)
- 138 ツマグロヨコバイの個体群動態II. 卵期の死亡要因とその働き方(生態学, 昭和43年度日本農学会大会分科会)
- 137 ツマグロヨコバイの個体群動態I. 生命表の作成と基本要因分析(生態学, 昭和43年度日本農学会大会分科会)
- 116. ナカジロシタバの生息密度と生理生態的形質
- 362 異った食物で飼育したイガ幼虫の食害量と絶食に対する耐性の比較(昭和39年度日本農学会大会分科会)
- 102 ヒメカツオブシムシの成育を支配する要因(昭和38年度日本農学会大会分科会)
- 26 害虫化の過程からみたヒメカツオブシムシ (Attagenus piceus) の産卵習性(昭和36年度日本農学会大会分科会)
- 14 イガの産卵・発育におよぼす湿度の影響(昭和35年度日本農学会大会分科会)
- 61 イガの幼虫に対する飼育密度の影響(昭和34年度日本農学会大会分科会)
- 110 アゲハ属2種の野外混棲個体群の解析 : 2.雄成虫の個体数変動
- 109 アゲハ属2種の野外混棲個体群の解析 : 1.小高坂山の個体群
- 捕食性天敵とクロルフェナミジン剤の超低濃度散布によるハスモンヨトウの防除
- ハスモンヨトウの生命表と生物的死亡要因の評価
- 異なる食物条件下におけるキクズキコモリグモの増殖
- 冬期間の捕食によるツマグロヨコバイの死亡
- 水田におけるキクズキコモリグモの密度推定法の検討
- 農薬と生態系
- ツマグロヨコバイの飛しょう能力に及ぼす親の日齢・密度の影響
- 144.ツマグロヨコバイの飛行能力に及ぼす親の日齢・密度の影響
- 144. ツマグロヨコバイの生命表の作成
- (1)ミナミアオカメムシの個体群動態に関する一連の研究
- Index pelearctic Tectrastichinae (Hym.Eulophidae)., G.DOMENICHINI著, 101 pp., Ed.V.DELUCCHI and G.REMAUDIERE.Le Francois, Paris
- 149 2種のタマゴヤドリコバチについての種間競争の解析的研究(生態学, 昭和41年度日本農学会大会分科会)