末期がん患者の認知的過程に対する身体的状況の影響
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概要
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本研究は, 単一事例に対する実験的な評価研究に続いて, 複数の末期がん患者に対する面接とその言語的行動の分析によってその認知的な側面について評価を行ったものである.対象者は, 11名のホスピス入院および外来通院中の末期がん患者であった.言語行動を測る尺度により面接の分析を行った.その結果, 患者の重症度が高くなると, 言語行動面での情動的反応が強くなる結果が得られた.これは, 末期がん患者の認知的過程で, 患者の身体的状態の認知が大きく影響を与えているためであると考えられた.このことは, 認知という側面からも症状のコントロールの重要性と, さらにより積極的な認知的過程に対する介入の必要性を示唆するものである.
- 日本心身医学会の論文
- 2000-04-01
著者
-
平井 啓
大阪大学大学院人間科学研究科
-
鈴木 要子
滋賀医科大学看護学科
-
鈴木 要子
大阪大学大学院人間科学研究科臨床死生学研究室
-
恒藤 暁
淀川キリスト教病院ホスピス
-
平井 啓
大阪大学人間科学部臨床老年行動学研究室
-
柏木 哲夫
大阪大学人間科学部臨床老年行動学研究室
-
坂口 幸宏
大阪大学大学院人間科学研究科
-
柏木 哲夫
大阪大学人間科学部
-
柏木 哲夫
金城学院大学人間科学部
-
恒藤 暁
大阪大学大学院医学系研究科
-
平井 啓
大阪大学コミュニケーション・デザインセンター
-
平井 啓
大阪大学人間科学研究科
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