揚げ油の変質度による鶏肉素揚げのテクスチャーおよび顕微鏡写真の変化について(食物栄養学科編)

概要

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揚げ試料-32および揚げ試料-40に関し, 揚げものの評価を揚げ試料の吸油量, 表面付着油率, テクスチャーの計測, 顕微鏡写真および官能テストについて行ない, 次のような結果を得た。(1)揚げ試料-26は, 全ての項目で明らかに"揚がりの軽さを認めるものであった。(2)揚げ試料-40は揚げ試料-32に対し, 揚げ試料に多くの水分量をとどめ, 表面付着油量も多く, 吸油量は少なく, 水と油の交換が緩慢であることが認められた。(3)テクスチャー測定値に関し, 揚げ試料-40では, 貫入によるかたさおよび剪断によるかたさについて有意に低かったが, 凝集性では差がなかった。4)顕微鏡写真に関し, 特に外局部については揚げ試料-40は表面付着油率を反映し, 揚げ試料-32より付着油が目立った。5)以上の定量, 測定項目および顕微鏡写真においては, 明らかに揚げ試料-32と揚げ試料-40には差があった。また, 官能テストにおける信頼区間でも, 3項目ともに有意差がみられた。したがって, 泡延距離32mm油と40mm油の両者については, かなりの変質度の差があると考えられる。
中村学園大学の論文
1986-03-31