ヒメシロモンドクガの発育および雌の翅型に及ぼす温度と日長の効果
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概要
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[Author abstract]The Japanese tussock moth, Orgyia thyellina, is a pest of fruit and garden trees in Japan. Female moths emerging in summer have normal wings (macropters) but those in autumn have atrophied ones (brachypters). This species obtained in Kyoto City was reared under different photoperiods and temperatures so as to study the developmental periods and the mechanisms to determine the wing form of females. Macropters were obtained in the photoperiods longer than 14 hrs, while brachypters in the shorter photoperiods. The population in Kyoto (35°2' N) followed closely the geographic gradient of critical daylength found in the populations from other regions in Japan. The threshold temperature for development was about 9.8°C for male and 10.6°C for female, and the thermal constant was about 594 degree-days for male and 602 degree-days for female. In Kyoto the number of generations seems to be three per year. The number of larval instars was usually five for male and six for female, but six for male and five or seven for female in the photoperiods shorter than 14 hrs and at the high temperature. [摘要]リンゴやプラタナスの害虫であるヒメシロモンドクガの雌成虫には2型があり、夏季に出現する個体は普通の翅を具えているが、秋季に出現する個体は翅が矯化し飛ぶことかできない。京都市産の個体をいろいろな日長および温度条件下で飼育した結果、雌の翅型は日長によって決定され、約 14時間という臨界日長より長い日長条件下では長辺型が、短い日長条件下では短翅型が出現することが分った。本種の臨界日長には北方産個体群ほど長くなるという地理的勾配が認められているが、京都産個体群もこの関係に従っていた。卵~蛹までの総期間の発育零点は雄では9.8℃、雌では10.6℃で、有効積算温量は雄では594日度、雌では602日度で、京都市内における世代数は年3回と推定された。幼虫の経過令数は通常、雄では5令、雌では6令であったが、雌雄とも特に臨界日長付近や高温下で増える傾向が認められた。しかし、経過令数と雌の翅型との間には一定の関係は認められなかった。
- 近畿大学の論文
- 1981-03-15
著者
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