<調査>近畿大学奈良キャンパスの生態系の概観
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概要
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郊外に移転した近畿大学農学部を中心とした近畿大学奈良キャンパスの生態系の概観について報告した。当地は二次林を切り開いて造成され, 残存する里山的環境の他に, 草地, 池, 庭園などの環境が新たに出現し, 環境はむしろ多様化したと言える。花崗岩を主体にした地質と少雨で暖帯の気候をもった当地の生態系を, 食物連鎖の頂点に立つ生物種, 地域を代表する生物種,注目すべき生物種の3つの観点から考察した。頂点に立つ種はワシ・タカ等で現在まで9種の生息が確認されている。地域を代表する種はコナラを主体にした二次林とそこに生育・生息する植物, 昆虫, 野鳥などから成り立っていた。注目種はオオムラサキをはじめ, 奈良県唯一の産地で全国的にも特異な分布を示すオオシモフリスズメなどをあげることができた。今後, 郊外に移転した大学としてのこうした生態系に関する教育, 研究面での活用のしかたと, 保全対策について検討する必要があることを提案した。
- 近畿大学の論文
- 1999-03-31
著者
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